若き日の僕が見た宗教の真実。

あれは中学二年の夏休み前だったか。 当時僕は近畿圏ではそこそこ有名な私立に通っていた。ほんとそこそこ有名な私立だったので色々な地域から人が集まり、遠くは三重県から通っているというつわものも居たぐらいだ。僕はまあ、隣の県からの通学だったのでそ…

宇宙 怪獣 人間。

科学や学識が極限まで積み高まり海で酩酊できるほど環境汚染が進みつも戦いは止まぬ、終末まっしぐらな星でこの究極の合成生物は開発された。この子は怪獣と呼ばれるに相応しくただひたすらに総てを喰らい尽くすという究極の破壊である生と未来を確定づけら…

失敗作。

「マーカーチェック、根源的誤差無し。承認されました。おはようございます教授。」そういう機械的な女声に尻を押され、整然としつつも何処か男寡の生活臭が漂う研究室へと入った。この胡散臭い魂の牢獄とも今日でお別れだ、と心の中で嘯きながら、中世の錬…

猫の話。

月明かり降る夜半過ぎ。へたくそな、歌ともつかぬ文句を諳んじながら家路へと向かっていると、急ぎ足で目の前を走り抜けようとする三毛猫がいたのでなんともなしに呼び止めた。「待ちたまえ、向こうは道が無いぞ。何処かに行くのなら引き返して他の道を探し…