眠
午後十時ちょい。列車内出入り口で、夢の世界に片足突っ込んでは次の瞬間現実に戻る、というループを延々と繰り返している小学校中学年位の少年を見る。傍から見ると非常に面白い。
膝ががくっ、と折れる毎に頭を扉にガンガン音を立ててぶつける。痛そうでは無いし、本人も痛みなど気にとめていないだろう。が、より楽な体勢を模索してたのか、暫くすると頭を接点にして、そこに重心をかけて安定させる術を編み出す。しかし眠気が増すと膝が折れて味わう無重力で正気に戻り、結局屈伸を繰り返す。頭の位置は固定されているので、変なダンスか扉に腰を振ってる様にみえてしまい、可哀想ではあるんだけども正直言うと笑いを堪えるのに必死であった。
よくよく考えると夜半のサバービアに向かう列車内は、当然ロシア系ガラスキーであり、外を見るのが好きな子供であってもうたた寝する程疲れていて座らないのは甚だ不自然だ。座らなかったのは、座ると本格的に寝て寝過ごす可能性がある事を自認、というより寝過ごした事があり、彼の御両親が座ると寝ちゃうからダメよ、と注意を促したと考えられる。居眠りの事実を把握していた=頭突き強化プログラム&腰振りダンスの把握に至る程、パパママの想像力がぶっ飛んでいるとは考え難いが。
何かしらトチ狂った正義感や無情無常を感じた訳では全く持って無いけども、あの子の両親に