読了証印 龍のすむ家

忙しい忙しい、って言ってると何もかも忙しいという理由で正当化されて仕事以外に出来なくなりそうだったので、色々とスケールアウトだぜー、と云う事で読書。図書館で適当に表紙と題名でチョイスして読んだ。



読んだ本 龍のすむ家 クリス・ダレーシー著
表紙の雰囲気が良かったので選択。

どーも児童向けのファンタジーだったようで、人物描写などは判り易くその登場人物の職業や続柄でそのままで括ってあり、話の流れやそこから生み出される事実で広がるものでは無かった。といっても平坦でつまらないわけでは無い。魅力的・・・というより終始謎を孕んでいる・・・ううむ、何といえばいいか。何が謎なのか謎でないのかがあやふやな人物が主人公の生活の中心に居て、その謎と一般的な事実との振幅が絡み合い、主人公と一緒に印象が上下一定幅で振り回される感じで終始するとでもいうか。振り回される側の変質で世界が変わる場合周りの変化は無いので読み手の認識も上手い事同調させてファンタジーをみせる必要があると思うのだが、そこらへん、現実と幻想のラインがわざと曖昧にしようとしすぎていて、最終的に信用し辛くなってしまった。読み手の問題なのかなあこれは。
そんな行き来の中で描かれる主人公の書き手としての行動は、全体を通ったギミックとしてかなり良く出来ているのだが、流れ単体での纏まりの良さから逆にファンタジー色を無理に濃くせず主人公の創作を軸に展開した方が面白かったんじゃないのかなぁと思ってしまった。まあそこら辺は対象年齢と、作者の書きたかった「ジャンル」があったんだろう。読者が童心に帰れば問題無い。もう後戻り出来ない大人な諸兄姉は似た感触を含有する映画「ビッグフィッシュ」や短編映画「ナポレオンの握手」でもご覧ぜよ。

物語は此の世から姿を消した龍から始まった。
龍が我々に与えた物語はその息吹と共に総てに魂を吹き込んだ。

てか、トーマの心臓のよーでもあるのかなあ。そこいらの真偽は続刊で判るようだ。