わかりあえない。

様子見がてらに実家に晩飯を振舞われに帰った際の食卓にて。
言葉数も少なくそもそも和気藹々と進んで盛り立てる必要性も無いので黙々と食事をしていたのだが、急に母が食糧自給率の話をしだした。
母「日本のゴマの自給率って幾つか知ってる?」
私「うーん、2%ぐらい?」
母「0.14%位なんだって(正確性は不明。ネットで調べた限りでは0.04%前後)、知ってた?酷いよね。日本の農業は何でダメなのかな。」
私「農業政策の補助金の関係で必要性に応じて作る作物をコントロールしてるんじゃない?そもそも自給率って消費量、生産量、作物のカロリーで計算していて・・・」

「輸出目的の生産物もそれに準じて計算されるから国によっては多くなるし、二次産業が貿易の柱となってる日本は貿易摩擦を解消する為にも輸入品目となるから上げづらいし、必然的に一次産業に力を入れ辛い状況に陥ってる」

と繋いで話そうとしたら。間髪いれず
母「でもヨーロッパでは自給率100%の国とかあるらしいじゃない。」
切られた。まあいいや。
私「ヨーロッパはEUがあって、EU加盟国はEU内部での輸出入に関税がかからないから・・・」

「農作物の輸出入が頻繁に行われるらしい。んで恒久的な需要として存在する食料品目は安定した経済を目指すEUにとって主幹となるものなので各国予算を多く割いて励行しているんだって。だから安定した需要と予算が相まって生産量も増え、付随して自給率も上がるというわけ。」

と続くつもりだったのだが。早口で
母「関税がなんで関係あんのよ。(いらつき気味)」
シャット。*1今からそれを説明する予定だったんです。
私「いやだから、EUってのは自分達だけでも機能する可塑性のある共同体というか経済圏を目指していて・・・」
ニヤニヤしながらこちらを見る母が勝ち誇るやうに吐く。
母「ようするに、わからないんでしょう。」
ようするに、別に知りたくなかったんだな。私は諦めた。ふーっと一息ついて
私「・・・そうかもしれない。」
呟き箸を進めた。



わかりあえない。

母にとって私はいつまでたってもバカで、そう思っている母はいつまでたってもバカのママ。

*1:しゃっとざふぁっかっぷゆぁまうす の略