日曜洋画劇場を観た。

会社に引かれているケーブルテレビに毒されてか元々熱心な視聴者では無かった地上波放送受信が生活範囲から外れ、一億総白痴な某しあわせの箱がゲームモニターと化して幾星霜。本日は休日と言い張るその名を日曜という労働日に対する自己の習慣性に嫌気が差し、この短い時間と人生を満たしたいがこれ以上労力を使いたくねー、しかし今日という休日の気分は味わいたいぜーという如何にも惰民的欲求がダメな方向へと労力を消費させ、思考を加速させ点けられましたわ日曜洋画劇場。正に日曜の象徴であるこの番組を観じヘロヘロと呆け明日への活力としようか、などというこちらの期待で始まった映画がシークレット・ウィンドウであった。内容はサスペンス調のホラーのようで、話のモチーフが比較的在り来たりそうな上に主人公のリアクションに付けられた吹き替え特有の妙に音の立ったクリアな効果音が意味を強調しすぎていて、その意味を考えてしまうだけでギミックというかパンチラインが読めてしまうという不手際がありつつも、まあそこが気安さというか、何も考えずに見れる良さではあるかーなどと偉そうにふんぞり返り、対外的な必要性に成り立つ見識から離れ平々凡々を味わいまどろみ始め、30分。放送枠に入って初めてのCMに突入しスポンサーの紹介テロップが流れ始めた。背景に放送中の映画秘密窓の1シーンを流しながら。民放ってこうなんだよなー、と、ぱっと明文化出来ない抽象的な感想を憶えながら、「ここからは〜」というナレーションに併せ背景に流れるカットシーンを眺めていた。登場人物が誰かに追われるシーンの様だ。あれ、その人があー。あれー。
真犯人が登場するシーンだった。いやぁさすが地上波、徹底して時間を無駄にしない、と膝を打ちつ痛みに泣く。



ちなみに先取りされたシーンが本編で流れたのは終了10分前。もしや地上波で普通に流すにしては結構ブラックな結末なので、本来より強調された効果音やCMで先に犯人をばらす事で視聴者側の感じる不条理さを緩和していたのだろーか。