想い繋がる

社会的な通例と反して本日日曜も囚われの身である。



そんな中でも、幸運な事に事務所の窓下には桜の木が植わっており、花見シーズンストライクな現在では満開の桜を間近に見下ろすというなかなか乙な景色を楽しめる。これなら少しはこの憂さも晴れるってもんだ。

樹の天辺近く上方から咲き誇る様を良く眺めていると、一枚一枚小さく淡い花びらが大勢で集まってかしましく騒ぎたて、艶やかに樹の形を成して踊っているようにみえてくる。艶っぽいようなそうでないような、顔を突き合わせているような感覚に陥る。気が緩むと話しかけてしまいそうだ。

などとゆるゆると考えながらぼけーっと桜を眺めていた、らー。事故発生。

事務所ビルの桜が植わっている横は少し段差がありましてその段差下には道路があるのです。そこの道路から見上げる桜は乙というより正統派の甲。段差上から道路へと桜の上部が覆い被さる感じになっており淡い色で空を彩る美しさと共に、大きな樹特有の抱擁感が醸し出るなかなかの名スポットなのだ。

下を通るおっさんは桜に包まれて夢見心地だったろう。上で桜と会話をしていた私も妄想度高めに陶酔していた。天と地という対極に位置するも同じモノに羨望の眼差しを向けていた我等は純粋にただ一点に視線を送り続けたあまり、腑抜けた面同士で邂逅した。


・・・・オェッ